とてもわかりやすい文章で書かれていて、主張することはよく理解できました。
彼の視点によると、今のアベノミクスにあるインフレ政策は、日本を悪い方向に導いているそうです。
「インフレどころか~」は2014年、「格差大国~」は2015年の出版です。少し古い本ではありますが、それだけに2017年の現在と比べて、本に書かれていることと現実のギャップがどのくらいあるのかがわかります。
今のところ大きなギャップは見当たりません。というより少しずつですが彼の主張する内容が立証されているような気がします。
この2冊には共通する内容も多々あるのですが、おおざっぱにまとめると氏の主張は以下の通りです。
- インフレ・デフレにも「良いインフレ」「悪いインフレ」「良いデフレ」「悪いデフレ」がある。
- アメリカは「悪いインフレ」の結果、格差が拡大した。
- 歴史的に見ても、中間層の没落は国を亡ぼす。
- 「良いデフレ」は中間層の生活を豊かにする。
- 雇用を守る日本的経営は素晴らしい。
- これから「シェールガス」のおかげでエネルギーコストが下がり、アメリカは良いデフレに向かう。
- 安倍政権のインフレターゲット政策は間違い。資産インフレのみを起こして格差拡大に拍車がかかる。
なるほど、いろいろ勉強になります。彼の主張によると、今の日本はインフレを起こそうと必死ですが、まずインフレありきの政策は間違いだそうです。インフレとはあくまでモノへの需要の高まりの結果起こるのであり、マネー供給で調整されるべきものではない、と。
しかし現実には、日本政府はインフレを実現しようと躍起になっています。彼の視点でも、今の日本は「悪いインフレ」を引き起こし、格差が拡大したアメリカを追従するような方向に向かっている、と。
この本を読んで、一つだけ予定していた行動を変えることにしました。流れの読みが正しければ数年後に成果が出るはず。
気長に続けてみたいと思います。
0 コメント:
コメントを投稿