ちょっと前に「やっと日経平均2万円に戻したな~」と思ったら、あれよあれよという間に上昇し、ついに2万3千円を付けました。
かと思ったら今度は下落開始。すぐに1千円下げて2万2千円に。
Yahoo!ファイナンスより引用 |
こんな環境下で思うのは、「やっぱり投資は若いうちから少額で始めておいたほうがいいな」ということです。
よく新聞やインターネット記事の経済コラムで、「退職金でいきなり投資を始めてはいけない」と書かれています。なぜでしょうか?
よく言われるのは、「銀行のいいなりになってしまう」とか「知識が不十分」といった理由でしょうか。
では銀行ではなくネット証券会社で、充分に勉強をすればOKなのでしょうか?
私はそうは思いません。投資に必要なのはお金や知識だけではありません。運用には「変動への耐性」が必要不可欠だと思います。
どういうことかというと、例えばここ2か月くらいの日経平均を例に考えます。
日経平均は9月19日に2万円を回復。その後11月9日まで2か月弱をかけて2万3千円をつけました。単純計算で15%アップ。
その約1週間後、11月15日には2万円に。約4%ダウンです。
この期間に、定年退職したあなたが退職金3千万円を日経平均の動きとほぼ完全一致で連動する株や投資信託で運用したとします。
3千万円が15%アップすると3,450万円。2か月で450万円も増えました!
そして1週間後に4%ダウンすると3,312万円。138万円ダウンです。
こうやって数字で見ている限りは「ふ~ん」と思うだけでしょうが、実際に自分のお金が増えたり減ったりしていると想像してみてください。
たった2か月弱で450万円も増えたかと思ったら、1週間で138万円も減るのです。投資を始めたばかりのあなたは、このアップダウンに冷静でいられますか?
私はたぶん無理。増えているときは気持ちが大きくなって無駄遣いをしてしまいそうですし、減っているときは焦って売ってしまうかもしれません。
このケースでは、上げて始まり、少し下がっても結果的には増えているので良いのですが、常にそうとは限りません。
逆に、下げて始まり、あとで盛り返す時だってあります。その場合を考えてみましょう。
先ほどとは逆のパターンで、まず4%下げて、その後15%上がったとします。
3千万円が4%下がると2,880万円。120万円目減りしました。
そこから15%アップ。3,312万円です。
結果的には3,312万円に落ち着きますが、まず最初に120万円も目減りします。120万円は大金です。さらに下がることを恐れ、損を覚悟で売却するかもしれません。
仮に耐えられたとしても、もとの3千万円に戻ったあたりで一安心。でもこの先どうなるかわからない不安から、売りたくなりませんか?そうすると手数料分だけ損です。
大金を運用すると、大金なりの変動を経験することになります。いきなり直面すると、かなりツライ・・。
もし一桁少ない300万円で運用していたら、アップダウンの金額も一桁違います。150万円で運用していたらさらにその半分。
つまり、まずは小さい金額で運用を始め、少しずつ投資額を増やすことでアップダウンに対する耐性も少しずつ高めておいたほうが、後々大きな金額になっても動揺せずに済むのです。
もちろん運用していく中で様々な経験もします。為替の動きや政治、地政学、税制変更、その他諸々の影響を体験することで、投資に対する知識や経験を深めていくことができます。その中で自分なりの運用ルールもできていくでしょう。損切や利益確定のタイミングも設定するようになると思います。
というわけで、これから投資を始めようという人は、ぜひ小さな金額から始めることをお勧めします。最初は損得も小さいですが、まずは慣れるということが重要です。
そしてできるだけ長い期間運用したほうが良いです。期間が長ければ、それだけいろんな事象を経験できますからね。
ま、偉そうなことを書きましたが、私も耐性を高めている真っ最中。また「そうなの
か~」的な経験もいろいろと積み重ねているところです。
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