フェズでグルグル
カサブランカ到着後、最初に移動した街がフェズでした。フェズの旧市街はモロッコで最古ともいわれ、ものすごく入り組んでいます。 その旧市街の端っこに宿を予約しておいたので、まずはタクシーを降りて宿まで移動。本来なら5分くらいで着くはずなのですが、なぜか30分以上探し回ってしまいました。なんせものすごく細い道に入り口があるんでわからなかったんですね。旧市街にある宿はたいていの場合がこういう細い路地の途中や奥に入り口があってわかりにくいので、不安であれば宿の人に迎えに来てもらったほうがよいです。
ブー・ジュルード門。別名ブルーゲート。 |
ま、何はともあれ宿について一息ついたら街を探索です。
フェズでは特に買い物の予定もないのでただただぶらついていたのですが、頼りのGoogle MapとGPSはほぼ役に立ちません。Google Mapでは旧市街の全貌なんて当然データがなく、また高い壁に阻まれているせいかGPSでの位置情報もあいまい。じっとしていても自分の位置が動いてしまいます。
しょうがないので適当に歩いていたのですが、もう店からひたすら「ニーハオニーハオ」と声をかけられて、うざいったらありゃしない。のんびり店の品物を覗く気にもなりません。
そんな状況で、案の定迷いました・・。「ここ通るの5回目だな・・」とか思いながら似たようなところをグルグルと・・。
そうこうしていると道端にいた兄ちゃんが声をかけてきて、「俺が案内してやる」と。
あ~出たよ自称道案内。勝手にどんどん私を導いていきます。断りたかったのですがもう1時間くらい迷っていたし、暑くて辛かったので少しくらいなら案内料払ってもいいか、と負けてしまいました。
で、そこから30分くらいウロウロさせられた挙句、「ここからならまっすぐ行けばわかる」とか言われ、「さあ俺をハッピーにしろ」と。 はいはい、じゃあ20DHくらいね~、と言ったらご立腹のようす。200DH払えと。
ふざけんなまったく!疲れ切った状況でここから10分以上にわたる交渉というか押し問答の開始です。「あほかお前は、200DHも払えるわけがないだろう!」とかなんとか言いまくり、結局50DHで決着。
まあわけのわからないところに連れていかれて身ぐるみはがされなかっただけマシだと思いましょう。
ぐったりして宿に戻り、決めました。「明日はガイドを雇おう」・・。
さて翌日、宿の人に手配してもらったガイドに会い、散策開始です。ガイドが一緒にいると誰も声をかけてきません。これだけでもだいぶラク。さらに昨日に見て回っただけではわからなかったことをいろいろ説明してくれます。建物の説明や装飾の意味、メッカの方角を知る方法などなど・・。うんうん、かなり勉強になりました。
まあいちおう定番の皮なめし(タンネリショワラ)にも連れていかれるのですが、レザークラフトが趣味な私としては望むところ。ちょっとだけお土産の革小物も購入しました。もしいらなければいらないとはっきり言いましょう。いつまでも店にとどまることになります。
2~3時間の半日ツアーで250DHでしたが、丁寧な説明も好印象だったのでチップも含めて300DH払いました。この50DHは気持ちよく払えましたね。
ちなみにこれだけ入り組んだ旧市街ですが、ガイドによると観光客目当ての窃盗は少ないとのこと。観光立国をめざす国として観光客相手の犯罪に対しては刑罰が厳しいので、犯罪者にとっては割に合わないそうです。意外な場所に監視カメラがありましたしね。とは言え最低限の自衛は必要ですよ。
マラケシュの旧市街は午前中に
さて、次はマラケシュの旧市街です。実はマラケシュではそれほど時間を費やしていません。というのもフェズで充分に堪能しましたからね。「ニーハオ」攻撃が嫌だったのでガイドを頼もうかとも考えたのですが、実はそれまでの10日ほどのモロッコ滞在で少し見えてきたことがあったので、そのカンを頼りに一人で突入しました。結果これが大正解。あまり声をかけられることもなく、気分良く目的の買い物を済ませることができました。
行動は午前中に開始です。これはラマダン期間中だったことも関係するのですが、現地の人はラマダン期間の日中、特に午前中は動きが緩慢です。夜明け前に食べてから一度寝たりするので、朝はまだ完全に目覚めていないというか、店が開くのも遅かったりします。逆に夜は遅くまでうるさいけど・・。
ランドマーク的なクトゥビアのモスク |
まず旧市街に入る前に、近くの「伝統工芸品館」を9:30オープン直後に視察。ここでは職人が作業しながら直売もしています。値札表示もあるのでだいたいの相場を把握。
その後で旧市街に入りますが、フェズでの経験からGoogleに頼るのはやめて、しっかり周囲を確認。そしてひたすらまっすぐ進み、まずは基準となる一本道をしっかりと把握。その基準をベースに横道を見てみたりしつつ、お目当てのバブーシュ(スリッパ)店が集まっている場所を目指します。案の定まだ開店したばっかりや開店準備中の店が多く、あまり声掛けがありません。
ウロウロしていると、袋小路になっている横道にバブーシュのお店がありました。しっかりと値札も出ていて、しかも伝統工芸品館で見た値段とそん色ありません。むしろ安いかも。するとお店の人が出てきて名刺を渡しつつ、「日本人か?ちょっと待ってね見せたいものがあるから」と言って、日本語の雑誌を持ってきました。その雑誌に「信頼できる店」として紹介されていたのです。
カラフルなバブーシュ(スリッパ) |
あら、これはうれしい偶然。どうやらここは安心できそうなので、そこでバブーシュを購入することに。確かに品物もしっかりしていて、しかも飾りつけを無料でやってくれます。値引きはありませんがもともと納得の価格付けなので、異論はありません。
その店の近くでほかの買い物も済ませて元来た道を戻り、昼前には旧市街を出ることができました。
ちなみに夜は行きませんでした。ガイドブックには「夜の喧騒こそがマラケシュ旧市街の醍醐味」的な紹介がされていますが、騒音が苦手な私としてはあえて避ける選択をしました。
アドバイス
というわけで、これからモロッコの旧市街に行く人へのアドバイスとしては、「まずはガイドを雇う」のが正解だと思います。わけのわからない道案内にぼったくられたり意味もなく迷うよりは、ガイドを雇って案内してもらったほうが時間の節約にもなりますしモロッコ文化の理解を深めることにもなります。
自分で探索したい人は、Google MapやGPSといった文明の利器には頼らず、必ず周囲をちゃんと見て確認しましょう。そして基準となる道や場所を決めてから、そこを中心に動けば迷う可能性は低くなると思います。
旧市街はとても魅力的な場所で、ぜひ訪ねてほしいのですが、とにかく時間と労力を無駄にしがちなので、しっかりと対策を考えてから訪ねることをオススメします!
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